宮廷に黒を貴重とした豪華な着物を着用した麗美が到着した。妃達含め宮廷の者達が総出で彼女を出迎える。

(白徳妃はいないか)

 処分が言い渡された白徳妃の姿は無い。麗美は建物の前で着飾った雄力の手を取るとにこやかな表情を見せた。
 婚儀は滞りなく進んでいく。宴の品々も順調かつ、好反応だ。

(ハンバーグとか受け入れられてる感じで良かった)

 こうして時間は早々と過ぎ去り夜になる。宴は夜遅くまで続いたのだった。
 春蘭は料理に重臣達へお酒を配ったりと目まぐるしく動いたのである。その為か片付けの途中、ぐったりと椅子に座り込んでしまった。

「金賢妃様!?」
「あ……すみません……疲れが出ちゃって……」
「あとの片付けは私達が行います。どうぞお休みくださいませ」
「すみません……」

 女官達に促され、春蘭は一足早く自室の架子床で眠りについたのだった。

(疲れた……でも皆喜んでいて良かった……)

 眠る春蘭を満足感がふんわりと包んでくれている。