「ただいま戻りました。陛下」
「ああ、もう食事は全て頂いた。そろそろ仕事に戻らねばな」
「あの。陛下。良かったら夕食をお作りしましょうか?」
春蘭からの言葉に、浩国は腕組みをしながら考えこむ。
「今日は部下との打ち合わせがあるからな。……なら、消化に良いものを頼む」
(おじやとかかな)
「かしこまりました。陛下」
「ああ。よろしく頼む。作ってくれると言ってくれてよかった」
ふっと穏やかに笑う浩国を春蘭は焼き付けるようにして見つめている。
「そなたの料理を食べていると心が落ち着く気がしてな」
笑顔を見せながら浩国は栄華宮を去っていった。
◇ ◇ ◇
調査の結果、異臭は白徳妃の居住区画内で発生していた事が明らかになっていた。そう、あの異臭は彼女が持っていたお香から発せられたのである。
どうやら中身の掃除をしないまま白徳妃が部屋内に置いていた事が要因だったようだ。
(やはりあの香がそうだったのか……)
夕方。事実を聞いた春蘭は心の中でつぶやきながら彼女へ書いた謝罪文を渡すべきかどうか迷っていた時、浩国から書面で彼女の処遇を考えている。という事を知らされる。
「そうだよねえ……あれだけ騒ぎを起こしておいて何もなし。というのは考えられないもんね……」
「ああ、もう食事は全て頂いた。そろそろ仕事に戻らねばな」
「あの。陛下。良かったら夕食をお作りしましょうか?」
春蘭からの言葉に、浩国は腕組みをしながら考えこむ。
「今日は部下との打ち合わせがあるからな。……なら、消化に良いものを頼む」
(おじやとかかな)
「かしこまりました。陛下」
「ああ。よろしく頼む。作ってくれると言ってくれてよかった」
ふっと穏やかに笑う浩国を春蘭は焼き付けるようにして見つめている。
「そなたの料理を食べていると心が落ち着く気がしてな」
笑顔を見せながら浩国は栄華宮を去っていった。
◇ ◇ ◇
調査の結果、異臭は白徳妃の居住区画内で発生していた事が明らかになっていた。そう、あの異臭は彼女が持っていたお香から発せられたのである。
どうやら中身の掃除をしないまま白徳妃が部屋内に置いていた事が要因だったようだ。
(やはりあの香がそうだったのか……)
夕方。事実を聞いた春蘭は心の中でつぶやきながら彼女へ書いた謝罪文を渡すべきかどうか迷っていた時、浩国から書面で彼女の処遇を考えている。という事を知らされる。
「そうだよねえ……あれだけ騒ぎを起こしておいて何もなし。というのは考えられないもんね……」