(料理作るんならちょうど良いでしょ。せっかくだしビュッフェ形式とか面白そうだよなあ……)

 それからはあれよあれよという間に停戦交渉と婚儀について話が進んでいった。途中、空になった料理を回収しつつ春蘭は話に参加し自らの意見を述べていったのである。
 そして日が落ちて暗くなった所で麗美がもうそのような時間ですか。と呟くと、春蘭は好機と言わんばかりに彼女へ口を開く。

「夕食も私がお作り致しましょう」
「よろしいのですか?」
「ええ、ぜひ麗美様達と仲良くしたいので……!」
「あら、そこまで友好的に扱ってくださるなんて嬉しいわ。良かったら私もお手伝いしても構わないかしら?」

 麗美からのお願いに春蘭はもちろんです! と答えた。

(その方が毒を盛ったとか疑われなくて済むもんね)

 こうして対話の場はあらぬ方向へと走っていったが無事に終了。後は夕食を作るのみとなる。
 浩国は雄力と馬族の者達と共に走り込みと武術の鍛錬へと赴き、春蘭は麗美と共に夕食を作りに行った。

「そういえば、麗美様はどれくらいお料理が出来るのでございますか?」
「ああ……まあ、ちょっとは出来ますけど、春蘭様のようには……」