昆布でだしを取り、しょうゆをちょっと入れる。その中に出来上がった水餃子に春雨や葉野菜達をどかどかっと入れていくとふと思い立つ事が出来た。

(……魚系も入れたいな。これでは彩に欠ける気がしてる)
「あの、魚介系は何かありませんか?」
「ああ――魚は無いんだよなあ……海老ならあるけど」
「ではそれでお願いします……!」

 鉢の中に入った大量の海老は既に頭が取られていた。春蘭は海老の殻を一匹ずつ手でむき、背ワタを爪楊枝で器用にほじくって取り出すと、塩を加えて揉みこんでから綺麗に洗い流す。
 ちなみにこの技は前世にて両親から教えてもらった技だ。

(こうすると汚れや臭みが取れるんだよね)

 海老をばさばさっと鍋に入れていき、火にかけていく。春雨が柔らかくなるまで少し時間がかかるのでその間に別の料理にも取り掛かる事にした。

(あ、豆腐がある。味噌もあるしこれで田楽豆腐にしちゃおうかな)