と、ここでロコさんは辺りを見回して声を潜めた。
「でも安心したわ。ここ、意外と年配の人もいるのね」
「そうですね」
私も周りの客層を見て少し驚く。
ロコさんと同じくらいの少し年配の主婦グループに親子連れ、若い男の子二人組もいる。
若い女の子が一番多いのには変わりないけど、それ以外いないというわけじゃない。
ほっと胸をなでおろす。
「年配でも男の人でも、甘いものが好きな人っていっぱいいますしね」
「そうよね。コラボ目当てのお客さんだけじゃないものね。でも見て、あの親子。ユウキくんと写真を撮ってるから絶対にニコちゃんずだわ」
見ると、小学生くらいの女の子とそのお母さんがキャッキャとパネルの写真を撮っていた。
「スマイルボーイズってこんなに幅広い年齢層に愛されているのね」
ロコさんが感動したようにうんうんうなずく。
「子供からお年寄りまで愛されるのがスマイルボーイズの良いところですよね」
私も同意する。
三十代になっても推し活をしていて、なんとなく若い子に引け目を感じていた。
けれど、幅広い年代に愛されるって、メンバーにとってもファンにとってもきっと嬉しいことなんだろうな。
自分はここにいてもいいんだ。
そう思うと、なんだかすごく安心した。