「ああ、そういうのネットで見たわ。一度やってみたかったの」
ロコさんも恥ずかしそうにピンク色のトレカケースとウサギのぬいぐるみを出した。
「じゃあいくよー」
パシャリ。
トレカとぬいぐるみを料理とともに並べて写真を撮る。
「わあ、可愛いわね」
「これSNSにあげていいですか?」
「ええ、もちろん」
ロコさんは二人で撮った写真を見て、ぱあっと頬を桃色に染めた。
「うわあ、可愛い。こういうのSNSで見て憧れてたの。一生の宝物ね」
まるで少女のようにはしゃぐロコさんを見て、私もなんだか胸がほわっと暖かくなった。
「じゃあ、さっそく食べて見ましょっか」
「ええ」
二人でコラボメニューを食べてみる。
うん。
ここって可愛いだけじゃなくて味も絶品。
私がオムライスをほおばっていると、不意にロコさんが聞いてきた。
「ところでシオさんはいつからタケルくんを推してるの?」
私はピタリとスプーンを止めて答えた。
「……タケルくんが前のグループにいた時から好きだったんですけど、急に解散しちゃって」
実はタケルくんは、今のグループでデビューする前、十三歳から十五歳まで別のアイドルグループに所属していたんだ。
だけどタケルくんが十五歳の時、そのグループは突然解散してしまい、タケルくんはそのまま十年間、芸能界から完全に消えたの。