「はーい。皆集合!」
バスケ部のコーチの津野がタンバリンのように手を叩くと、各々練習している手を止めて、集合する。横には、バスケ部顧問の数学科の天然パーマの丸眼鏡の田丸が立っている。
「晴陽からお知らせがあります」
津野が晴陽の背中を押す。晴陽は、軽く深呼吸をして、少し緊張した面持ちで顔を上げる。
「実は…U18日本代表に選ばれました」
一瞬、静けさが満ちてから、「おおっ!」と部員たちから歓声と拍手が湧き上がった。
「だから、次の試合が、俺にとって、この学校を背負ってする最後の試合になります」
さっきの歓喜が寂しさへと移り変わる。
「絶対に勝とう!」
功祐がしんみりとした空気を、手を叩きながら、スパスパと断ち切る。
「そうだな!」「晴陽先輩を勝利で見送れるように」「はい!」
部員たちとマネージャーの声が飛び交う。由真も、その様子を見て、大きく頷く。
「そうだ。その意気だ。円陣組もう」
津野が、場の空気をさらに熱くさせるかのような提案をする。
「月島くんもおいで」「ツッキ―」「月くん」「月島先輩」
由真も呼ばれて、円陣に参加する。漣と功祐が晴陽の横を開けてくれた。
バスケ部ではないけど、失礼します。
「晴陽を勝利で見送れるように、何日だ」
津野が、頭の中で今日が何日で試合まで何日かを弾き出そうとする。
「4日」
息子の祐大が助け舟を出すと、皆から笑いの声が滲み出る。
「4日練習頑張って、試合に挑みましょう!」
「おぉ!」
「よし、練習始めようか!」
「はい」
津野の合図で、各自、持ち場に戻り、練習が始まった。
すごいな。橘くん。クラスが離れて見かける機会が減り、バスケ部を覗いてもいないことが多かった。体育館で会えた時は、胸が高鳴るほど嬉しくて、休憩時間に話に来てくれて、その時間が短いけど今までよりギュっと濃縮されたように感じる。まさか、U18の日本代表に選出されていただなんて! 自分のことのように嬉しい。応援しなきゃいけないのに、きっと今より忙しくなって、こうやって話す時間も少なるのかと思うと、寂しいな。
バスケ部のコーチの津野がタンバリンのように手を叩くと、各々練習している手を止めて、集合する。横には、バスケ部顧問の数学科の天然パーマの丸眼鏡の田丸が立っている。
「晴陽からお知らせがあります」
津野が晴陽の背中を押す。晴陽は、軽く深呼吸をして、少し緊張した面持ちで顔を上げる。
「実は…U18日本代表に選ばれました」
一瞬、静けさが満ちてから、「おおっ!」と部員たちから歓声と拍手が湧き上がった。
「だから、次の試合が、俺にとって、この学校を背負ってする最後の試合になります」
さっきの歓喜が寂しさへと移り変わる。
「絶対に勝とう!」
功祐がしんみりとした空気を、手を叩きながら、スパスパと断ち切る。
「そうだな!」「晴陽先輩を勝利で見送れるように」「はい!」
部員たちとマネージャーの声が飛び交う。由真も、その様子を見て、大きく頷く。
「そうだ。その意気だ。円陣組もう」
津野が、場の空気をさらに熱くさせるかのような提案をする。
「月島くんもおいで」「ツッキ―」「月くん」「月島先輩」
由真も呼ばれて、円陣に参加する。漣と功祐が晴陽の横を開けてくれた。
バスケ部ではないけど、失礼します。
「晴陽を勝利で見送れるように、何日だ」
津野が、頭の中で今日が何日で試合まで何日かを弾き出そうとする。
「4日」
息子の祐大が助け舟を出すと、皆から笑いの声が滲み出る。
「4日練習頑張って、試合に挑みましょう!」
「おぉ!」
「よし、練習始めようか!」
「はい」
津野の合図で、各自、持ち場に戻り、練習が始まった。
すごいな。橘くん。クラスが離れて見かける機会が減り、バスケ部を覗いてもいないことが多かった。体育館で会えた時は、胸が高鳴るほど嬉しくて、休憩時間に話に来てくれて、その時間が短いけど今までよりギュっと濃縮されたように感じる。まさか、U18の日本代表に選出されていただなんて! 自分のことのように嬉しい。応援しなきゃいけないのに、きっと今より忙しくなって、こうやって話す時間も少なるのかと思うと、寂しいな。