カメラを持って、サッカー部や野球部、陸上部の練習を見ながら歩いていると、突然、横から転校生美少女のメリッサが現れる。
「し、城田さん」
「メリッサでいいよ。それに苗字で呼ばれるの慣れてないから、悪寒が走るというか」
海外生活が長いのに、「悪寒が走る」という言葉がスッと出てくるのすごい。
「メリッサさん、どうされたのでしょうか?」
「何か、カメラを構えて真剣な表情を浮かべているのカッコイイなと思ってついてきてしまった」
テヘッと言う効果音が聞こえるのは、幻聴なのでしょうか…
「あ、ありがとうございます」
「ツッキ―、可愛い!」
メリッサは由真の肩を組む。
「えっ⁉」
「照れちゃって。可愛い」
まるで、遊園地のマスコットキャラクターとのグリーティングでの会話のようだ。
あっ…橘くんも言ってたな、可愛いって。海外で暮らしていると、何というか人と人との会話をいとも簡単に破壊してくるのか。恐るべし、帰国子女。
「今日はバスケ部行かないの?」
胸がドキンと跳ねる。
「今日は、総合体育館で、他の高校と練習試合みたいで」
「ふーん。そうなんだ。ねぇ! 私の写真も今度撮ってほしい!」
「分かりました」
「メリッサちゃん!」
教室から叫び声が聞こえてくる。
「行くね! また今度写真見せてね!」
メリッサは風のように去っていた。
いや、牧田さんが言ってたように、台風の目だ。また、戻って来そう。
バスケットボールをする晴陽や仲間たちの姿をレンズ越しに見ているうちに、スポーツの一瞬一瞬が持つ「躍動感」や「感動」を切り取りたいという気持ちが強くなった。そして、競技に懸命に向き合う選手たちの姿や、勝利の瞬間、あるいは悔し涙を流す場面に惹かれ、それらを、カメラを通じて世界に伝えたいと思った。気づけば僕は他の部活にも許可を得て、写真を撮り始めた。
将来は、プロのスポーツカメラマンになりたい。
「し、城田さん」
「メリッサでいいよ。それに苗字で呼ばれるの慣れてないから、悪寒が走るというか」
海外生活が長いのに、「悪寒が走る」という言葉がスッと出てくるのすごい。
「メリッサさん、どうされたのでしょうか?」
「何か、カメラを構えて真剣な表情を浮かべているのカッコイイなと思ってついてきてしまった」
テヘッと言う効果音が聞こえるのは、幻聴なのでしょうか…
「あ、ありがとうございます」
「ツッキ―、可愛い!」
メリッサは由真の肩を組む。
「えっ⁉」
「照れちゃって。可愛い」
まるで、遊園地のマスコットキャラクターとのグリーティングでの会話のようだ。
あっ…橘くんも言ってたな、可愛いって。海外で暮らしていると、何というか人と人との会話をいとも簡単に破壊してくるのか。恐るべし、帰国子女。
「今日はバスケ部行かないの?」
胸がドキンと跳ねる。
「今日は、総合体育館で、他の高校と練習試合みたいで」
「ふーん。そうなんだ。ねぇ! 私の写真も今度撮ってほしい!」
「分かりました」
「メリッサちゃん!」
教室から叫び声が聞こえてくる。
「行くね! また今度写真見せてね!」
メリッサは風のように去っていた。
いや、牧田さんが言ってたように、台風の目だ。また、戻って来そう。
バスケットボールをする晴陽や仲間たちの姿をレンズ越しに見ているうちに、スポーツの一瞬一瞬が持つ「躍動感」や「感動」を切り取りたいという気持ちが強くなった。そして、競技に懸命に向き合う選手たちの姿や、勝利の瞬間、あるいは悔し涙を流す場面に惹かれ、それらを、カメラを通じて世界に伝えたいと思った。気づけば僕は他の部活にも許可を得て、写真を撮り始めた。
将来は、プロのスポーツカメラマンになりたい。