「晴陽、球技大会のトーナメント表、発表されたって!」
功祐が教室に駆け込んでくる。バスケは第一コートと第二コートで、AチームとBチームに分かれて行われ、両者の勝者が最後、戦い、一番を決める。晴陽、由真たちはAチームである。
「一試合目1年3組。この試合に勝てば、二試合目は…」
「3年2組…」
由真の心臓がドキンと鳴る。以前、絡んできた宮元たちのクラスだ。そして、チーム名の下に書かれている代表者の名前に目をやると、全身が一瞬で固まった。
「宮元…」
口の中が乾き、視線を下げる。先日対峙したあの宮元がAチームの代表者だったのだ。顔が引きつり、背筋に冷たい汗が流れる。
そんな由真の様子に気づいた晴陽は、拳をぎゅっと握りしめた。