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優月は退院してから、一週間ぶりに登校した。今日も、悠都と塾に向かっている所である。今は、コンビニの駐車場で、悠都が出てくるのを待っている。
それにしても、少し寒くなった。空気が秋めき、コンビニの肉まんやおでんが存在感を示し始めたのを見て、季節が移り変わるの早いなと優月は心の中で思う。
「優月、お待たせ、行こうか!」
「行こ! 悠都くん、改めてお見舞い来てくれてありがと!」
入院している間、悠都、陽菜乃、桃那の三人が一緒にお見舞いに来てくれた。
「お! 退院できてよかったな」
「うん。ありがと」
「優月を突き落とした女、高岡先生の元カノだったんだよな」
「あ…うん」
優月の肩が震え、顔の表情が一瞬強張る。
「あぁ、ごめん。これ、良かったら食べな。プリン」
悠都は、やってしまったという表情で、コンビニの袋の中から、プリンを出す。
「え、いいの?」
「うん。これから塾で授業あるし、頭使うでしょ。糖分補給。これ、スプーンな」
たまたま近くに公園があったので、ベンチで並んでプリンを食べることにした。
「ありがとう。じゃあ、いただきます」
「いただきます」
「美味しい。あのさ」
優月がプリンを一掬いし、口に運び、幸せを顔に滲ませ、話を切り出す。
「うん」
悠都は、プリンを頬張りながら、耳を傾ける。
「眠っている時に、人間として生まれ変わる前の記憶、前世で死んでから天国にいた時の記憶が蘇って来たんだけど、何だか不思議だった」
「その話、興味ある。続けて」
悠都は、プリンをかきこみ、袋に入れて、優月の話に前のめりになる。優月は、そんな悠都を見て、一瞬驚くが、続ける。
「気づいたら、列に並んでいて、周りを見渡すと、沢山のワンちゃんや猫ちゃんが列に並んでいるの。皆、自分の人生、人じゃないから、あぁ、何て言うんだろう」
「分かるよ、優月の言いたいこと。長い旅路とかはどう?」
「いいね! 長い旅路を終えて、次の人生への審判を待っていた。順番が来て、希望を聞かれるの、来世は何がいいかって私は人間って答えた。飼い主だった廉くんに感謝の気持ち伝えたかったから。で、その願いが叶い、来世への扉が開かれるまで、他の動物たちと一緒に悠々自適に過ごしていた」
「そうなんだ。じゃあ、もしかしたら、俺もそこにいたのかもしれないな。知らず知らずのうちに優月に出会っていたのかもと思うと感慨深いよね。今、こうして同級生として一緒にプリン食っているのって不思議だな」
「そうだね!」
優月がプリンを食べ終わる。
「ごちそうさまでした」
プリンの空の容器を名残惜しそうに見る。
悠都も食べ終わり、スマホで時間を確認し、立ち上がる。
「そろそろ、塾行くか」
「うん。だね!」
優月は退院してから、一週間ぶりに登校した。今日も、悠都と塾に向かっている所である。今は、コンビニの駐車場で、悠都が出てくるのを待っている。
それにしても、少し寒くなった。空気が秋めき、コンビニの肉まんやおでんが存在感を示し始めたのを見て、季節が移り変わるの早いなと優月は心の中で思う。
「優月、お待たせ、行こうか!」
「行こ! 悠都くん、改めてお見舞い来てくれてありがと!」
入院している間、悠都、陽菜乃、桃那の三人が一緒にお見舞いに来てくれた。
「お! 退院できてよかったな」
「うん。ありがと」
「優月を突き落とした女、高岡先生の元カノだったんだよな」
「あ…うん」
優月の肩が震え、顔の表情が一瞬強張る。
「あぁ、ごめん。これ、良かったら食べな。プリン」
悠都は、やってしまったという表情で、コンビニの袋の中から、プリンを出す。
「え、いいの?」
「うん。これから塾で授業あるし、頭使うでしょ。糖分補給。これ、スプーンな」
たまたま近くに公園があったので、ベンチで並んでプリンを食べることにした。
「ありがとう。じゃあ、いただきます」
「いただきます」
「美味しい。あのさ」
優月がプリンを一掬いし、口に運び、幸せを顔に滲ませ、話を切り出す。
「うん」
悠都は、プリンを頬張りながら、耳を傾ける。
「眠っている時に、人間として生まれ変わる前の記憶、前世で死んでから天国にいた時の記憶が蘇って来たんだけど、何だか不思議だった」
「その話、興味ある。続けて」
悠都は、プリンをかきこみ、袋に入れて、優月の話に前のめりになる。優月は、そんな悠都を見て、一瞬驚くが、続ける。
「気づいたら、列に並んでいて、周りを見渡すと、沢山のワンちゃんや猫ちゃんが列に並んでいるの。皆、自分の人生、人じゃないから、あぁ、何て言うんだろう」
「分かるよ、優月の言いたいこと。長い旅路とかはどう?」
「いいね! 長い旅路を終えて、次の人生への審判を待っていた。順番が来て、希望を聞かれるの、来世は何がいいかって私は人間って答えた。飼い主だった廉くんに感謝の気持ち伝えたかったから。で、その願いが叶い、来世への扉が開かれるまで、他の動物たちと一緒に悠々自適に過ごしていた」
「そうなんだ。じゃあ、もしかしたら、俺もそこにいたのかもしれないな。知らず知らずのうちに優月に出会っていたのかもと思うと感慨深いよね。今、こうして同級生として一緒にプリン食っているのって不思議だな」
「そうだね!」
優月がプリンを食べ終わる。
「ごちそうさまでした」
プリンの空の容器を名残惜しそうに見る。
悠都も食べ終わり、スマホで時間を確認し、立ち上がる。
「そろそろ、塾行くか」
「うん。だね!」