大型犬が前方から歩いて来ているのが視界に入る。すぐ、優月に視線を向けると、優月の肩がビクッと反応し、視線を下に向けている。すぐさま、廉介は優月の手を掴み、交差点を曲がり、進路変更をする。
「ユヅ、あっちから帰ろうか」
 廉介は優月の手首を掴み、自分の方へと引き寄せる。
「あ、うん。ごめん」
 萎れた向日葵のように首を垂れる。
「ユヅは何も悪くない」