梅雨だから相変わらず、雨や曇りの日が多く、じめじめしている。学生の頃は警報が出たら休みになるから、雨よもっと降ってとか、台風来ないかなと心のどこかで思っていたが、天気が悪いと気分が乗らず、憂鬱な気分で一日を過ごし終えないといけないので、その分、体力や労力を消耗してしまう。あと、ユズが怯え、苦しんでいるのを見ると、いつの間にか喜べなくなっていた。
はぁ。気づかないうちに量産されていく溜息に、呆れていく。
よし、今日も授業頑張りますか。
前方から、見たことがない若い女性とその横に月島先生が、話しながらこちらの方に向かって歩いてくるのが視界に入る。いつの間にか背筋が伸びている。
「高岡くん。この前話していた今日から入る満島汐里さんです」
大学四年間、塾講師のアルバイト経験があり、大学院卒の子が新卒で入ると月島さんから予め耳にしていたが、今日ということを忘れていた。
「高岡廉介です。分からない所とかあったら色々と聞いてください」
「満島汐里です。早くこの職場に馴染めるように頑張ります」
黒ではないが、髪をブラウン系の色に染めていて、鎖骨当たりの長さで外巻きに髪が巻かれていて、モデルのようなスタイルで、清楚系な雰囲気を纏っている。
「満島先生は、高岡先生の授業を見学してください。来週から、新しい子が入るので、その子の担当お願いします」
月島は、汐里に指示する。
「はい、分かりました」
月島が受付の人に呼ばれて、じゃあと二人に告げ、小走りで風のように駆け抜けていく。
「高岡先生、よろしくお願いします」
「こちらこそ、お願いします」
「お疲れ、ユ、嶋田さん」
塾では悟られないように、苗字で呼ぶことになっているが、いつもの癖で、ユヅって呼んでしまうことが未だにある。でも、公私混同は良くないって、ユヅが言うので
「横にいるのが、前に話していた新しく入った満島汐里先生です」
「嶋田優月です。よろしくお願いします」
「優月ちゃん! 満島汐里です。よろしくね」
「優月ちゃん、すごいね! 進路もう決めたの?」
授業が終わると、汐里は優月に興味津々な顔をして聞く。
「正直言うとまだなんです」
優月の顔が曇り始めるが、笑顔を咄嗟に持ち出して答える。
「焦ることなんてないよ。勉強頑張っていたら、人生どうにかなるから」
「はい、ありがとうございます」
はぁ。気づかないうちに量産されていく溜息に、呆れていく。
よし、今日も授業頑張りますか。
前方から、見たことがない若い女性とその横に月島先生が、話しながらこちらの方に向かって歩いてくるのが視界に入る。いつの間にか背筋が伸びている。
「高岡くん。この前話していた今日から入る満島汐里さんです」
大学四年間、塾講師のアルバイト経験があり、大学院卒の子が新卒で入ると月島さんから予め耳にしていたが、今日ということを忘れていた。
「高岡廉介です。分からない所とかあったら色々と聞いてください」
「満島汐里です。早くこの職場に馴染めるように頑張ります」
黒ではないが、髪をブラウン系の色に染めていて、鎖骨当たりの長さで外巻きに髪が巻かれていて、モデルのようなスタイルで、清楚系な雰囲気を纏っている。
「満島先生は、高岡先生の授業を見学してください。来週から、新しい子が入るので、その子の担当お願いします」
月島は、汐里に指示する。
「はい、分かりました」
月島が受付の人に呼ばれて、じゃあと二人に告げ、小走りで風のように駆け抜けていく。
「高岡先生、よろしくお願いします」
「こちらこそ、お願いします」
「お疲れ、ユ、嶋田さん」
塾では悟られないように、苗字で呼ぶことになっているが、いつもの癖で、ユヅって呼んでしまうことが未だにある。でも、公私混同は良くないって、ユヅが言うので
「横にいるのが、前に話していた新しく入った満島汐里先生です」
「嶋田優月です。よろしくお願いします」
「優月ちゃん! 満島汐里です。よろしくね」
「優月ちゃん、すごいね! 進路もう決めたの?」
授業が終わると、汐里は優月に興味津々な顔をして聞く。
「正直言うとまだなんです」
優月の顔が曇り始めるが、笑顔を咄嗟に持ち出して答える。
「焦ることなんてないよ。勉強頑張っていたら、人生どうにかなるから」
「はい、ありがとうございます」