◇
今日もまた放課後、生徒会室で雑務に追われている。
「なぁなぁ、これもう終わりでよくね?」
「ちょっと武田なに言ってるの。後輩の前でそんな発言やめてよね。真似したらどうするの」
「山崎こそ、その真面目すぎるのどうにかしろよー!」
生徒会室の中は、今日もにぎやかだ。
武田先輩がすぐサボろうとして、それを会長が呆れた顔で見つめていた。
「矢野っ、もうすぐそっち終わるんだろ? こっち手伝ってくれよ」
武田先輩がすぐに絡んでくる。
「え? いや、俺まだ終わってないので自分の分は自分でお願いします」
丁寧にお断りをすると、俺の言葉に後押しするように会長が言った。
「そうだよ、武田。後輩に頼むなんて先輩の名がすたるよ」
「困ってるときは支え合いが大事だろ!ってことで、俺の分手伝ってくれよ」
「後輩の前で何バカなこと言ってるの。ふざけてばかりいないで手を動かしなよ」
「……お前さあ、俺だけに当たり強くねえ?」
いつもの先輩たちのやりとりを見て、俺はクスッと笑った。