クリスマスイヴに生徒会だけで集まろうと言ったのは、武田先輩。それに俺は乗っかっただけだ。人前で歌うのは苦手だし、あんまり歌ってなくてどちらかといえば飲食の方が多かった……と言ったところで柳木が納得するはずもないだろうから。

「いやまぁ、そうだけど……」
「いいなぁ、俺も生徒会入ればよかったー」

 そんなことを呟く柳木に、「じゃあ今からでも入れば?」と鳥羽がまたいつものようにからかい始める。

「入るわけねーじゃん!」
「なんで」
「なんでってそんなん、生徒会に部活なんて大変だから両立できるわけねーし!」
「分からないじゃん。生徒会入ったら柳木も少しは頭良くなるかもよ」
「いーや、今より悪くなるに決まってるし!」
「そこで威張ってどうするの」

 柳木、課題放置したままだけどいいのかな。もう少しで始業式始まっちゃうけど。

「でも柳木、わいわい楽しみたいんでしょ? クリスマスイヴみんなで集まりたいんでしょ」
「そりゃあ楽しそうで憧れるけど、まず生徒会の活動なんて俺には向いてない!」
「やってみなきゃ分からないだろ」
「やらなくても分かるっつーの!」

 でも、二人をなだめるのは面倒だったから俺は傍観者のままでいて止めには入らなかった。