「とにかくそれやったら鳥羽と今後一切口聞かないから!」
「えー、写真だけもダメなわけ」
「ダメ! 絶対にダメ!」
「先輩はいいのに?」
「何でいきなり先輩のこと……てか、先輩には偶然知られただけだし、それに写真撮ってるわけじゃないから」
「先輩がよくて俺がダメって納得いかないんだけど」

 じとーっと俺の顔を見る鳥羽から逃げるように明後日の方向へ顔を向ける。

「ふーん、なんか先輩のことよっぽど信頼してるんだな」
「そりゃあ、まあ……」

 たまに冗談言うこともあるけどね。

「そういえばさぁ、クリスマスどうだった?」

 少し離れた席から柳木はそんなことを聞いてくる。

「俺はアニメ見尽くして過ごしたかな。とても有意義な時間だったよ」
「それってぼっちクリスマスってことじゃん」

 けらけら笑う柳木にムッとしたのか、

「なに。文句あるなら課題返し…」
「文句はない! べつにいいと思う!」

 掴もうとした課題をひょいっと非難させる柳木。

「矢野はどーだった?」
「俺は生徒会のみんなと過ごしたけど」
「みんなって?」
「え? いや、だから……会長に副会長にみんなだけど」

 ポカンと固まった柳木。

「クリスマスイヴに?」
「う、うん」
「クリスマスイヴに生徒会みんなで集まるって仲良すぎじゃない?」
「まぁ、仲は良いと思うけど……」

 べつに普通なんじゃないかな。

「じゃあ柳木は何してたの?」

 固まる柳木に鳥羽が突きつけた。

 それが決定打となりぐっと顔を歪めた柳木は、

「部活してた。なんなら夜十九時までみっちりな! それなのに矢野ときたらみんなでわいわい楽しみやがって……」

 なぜか矛先は俺へと向かって来る。

「いや、ちょっと待って。その言い方だと語弊があるけど」
「語弊もなにもわいわい楽しんでたのは事実なんだろ?」