シトシトと降り続く雨が梅雨の訪れを感じさせる。テレビに映る天気予報は何日も連続で雨が降り続いているため、
道路の冠水や低い土地の浸水、土砂災害や河川の氾濫に気をつけるよう呼びかけていた。
生憎の雨にそれに加えて大雨警報が出ていることもあり今日は学校は休校。優希も病院で居ないのから家に残ってるのは私だけ。
結局、花梨さんと瑠々さんはよくわからない。
あのとき何を言いたかったのか今もたまに考えるけど、答えは迷宮に入ってしまう。
机に座りおとなしく勉強をしている
思えば、描いていた青春は何もなかった。
蓋を開ければ、いじめだのなんだの闇ばかり。
結局成功するのは陽キャだけ。私みたいな人は成功するわけない。
閉め切られたカーテンで暗い私の部屋。
日当たりが良い優希の部屋。
扱いはあからさまだ。
でも、親が干渉してこない分自由度も高いのは事実だ。
どれくらいの時間が経ったのだろうか。時計はちょうどお昼の時間を指し示す。
「もうこんな時間」
心の中でため息をつきながら部屋を出てキッチンに向かう。冷蔵庫を漁り何か軽く手軽に食べれる物を探す。
ガチャ
鍵が開く音がした。きっと優希と母が帰ってきた。
「ただいま〜」
私はマズイと思って冷蔵庫を閉めた
「あれ?お姉ちゃん?」
「なに?」
「珍しいなって部屋から出てるの」
「そう。」
「お昼買ってきたよ食べる?」
「いらない。お母さんは?」
「もうすぐくる!」
「あら、いおり?」
「あっ、うん。おかえりなさい。」
お母さんは少し首を傾げて「ただいま」と言った。
私はお母さんの手に何かが握られているのをみた。
「それ何?」
少し気になったから聞いた。だけど、あとから後悔した。
「これ?優希の誕生日ケーキよ。」
おかしい。
私のときは買ってきても来んなかったのに。
私は疑問に思った。だけど、今までのお母さんの行動を振り返ればわかることだった。
私は心のなかで理解した。
(ああ、そっか、私いらない存在なんだった)
なんだか虚しくなった。
「ハハッ」
少しだけ乾いた笑いが漏れてしまった。
「いおり??」
「ん?なーに?お母さん。」
「なんでもないわ」
私はその言葉を聞き、部屋に戻った。
ケーキ。期待していた私はバカだった。
それと同時に、妹が憎くくて、邪魔な存在になった。
偶々体が弱かっただけ。
偶々可愛かっただけ。
偶々私より出来が良かっだけ。
偶々お母さんの期待に添える人だっただけ
逆に言えば
偶々私は体が丈夫だった。
偶々不細工だった
偶々出来が悪かった。
偶々お母さんの期待に添えない人間だっただけ。
それなのに…
こんな運命なら妹なんて要らなかった。私だけで良かった。
いや、妹にあたるのは違うのかな…
私が生まれてきたのが間違いだったのかな。
それならお母さん。
産まないでよ。
産まないでほしかったよ。
最初から実の子供の能力が分かって、産むか堕ろすかぐらい決めさせてくれたほうが良かったのに。
私は偶々お母さんの子になっただけ。
別に運命でもなんでもない。ただの、運。
いつの間にか雨も止んで外にはうっすら日が出ていた。
もう、夕方になっても明るい。
本格的に夏が来ることを予知している。
私はただ机に向かっていた。
何も考えずに。
考えを持ってしまえば私は死にたい衝動に駆られる。
それを回避するために。
ただひたすら机に向かいノートにペンを滑らせる。
増えていく、数式。増えていく嫌悪感。
この気持ちが何かは理解できなかった。
もしかすると、したくなかったのかもしれない。
それほどにまで、私にとって感情という存在が邪魔で仕方なかった。
「いおりー?ご飯よ!」
「わかった。」
ゆっくりと机をたちリビングに向かう。
リビングに顔をだした。
いつもの食卓じゃなかった。
そこには優希の好きな物ばかり。
「え…?」
「あら!今日は優希の誕生日よ!盛大に祝わなくちゃ!」
私は内心驚いた。
そしてそれと同時に思考は一転した。
(私のときはこんなのなかった。なんで妹ばかり。私はお母さんにとってどんな存在なの??)
席に座ってもその問は出てこない。
私はただ呆然と優希に対するバースデーソングに手を叩いているだけだった。
私って、どんな存在??
道路の冠水や低い土地の浸水、土砂災害や河川の氾濫に気をつけるよう呼びかけていた。
生憎の雨にそれに加えて大雨警報が出ていることもあり今日は学校は休校。優希も病院で居ないのから家に残ってるのは私だけ。
結局、花梨さんと瑠々さんはよくわからない。
あのとき何を言いたかったのか今もたまに考えるけど、答えは迷宮に入ってしまう。
机に座りおとなしく勉強をしている
思えば、描いていた青春は何もなかった。
蓋を開ければ、いじめだのなんだの闇ばかり。
結局成功するのは陽キャだけ。私みたいな人は成功するわけない。
閉め切られたカーテンで暗い私の部屋。
日当たりが良い優希の部屋。
扱いはあからさまだ。
でも、親が干渉してこない分自由度も高いのは事実だ。
どれくらいの時間が経ったのだろうか。時計はちょうどお昼の時間を指し示す。
「もうこんな時間」
心の中でため息をつきながら部屋を出てキッチンに向かう。冷蔵庫を漁り何か軽く手軽に食べれる物を探す。
ガチャ
鍵が開く音がした。きっと優希と母が帰ってきた。
「ただいま〜」
私はマズイと思って冷蔵庫を閉めた
「あれ?お姉ちゃん?」
「なに?」
「珍しいなって部屋から出てるの」
「そう。」
「お昼買ってきたよ食べる?」
「いらない。お母さんは?」
「もうすぐくる!」
「あら、いおり?」
「あっ、うん。おかえりなさい。」
お母さんは少し首を傾げて「ただいま」と言った。
私はお母さんの手に何かが握られているのをみた。
「それ何?」
少し気になったから聞いた。だけど、あとから後悔した。
「これ?優希の誕生日ケーキよ。」
おかしい。
私のときは買ってきても来んなかったのに。
私は疑問に思った。だけど、今までのお母さんの行動を振り返ればわかることだった。
私は心のなかで理解した。
(ああ、そっか、私いらない存在なんだった)
なんだか虚しくなった。
「ハハッ」
少しだけ乾いた笑いが漏れてしまった。
「いおり??」
「ん?なーに?お母さん。」
「なんでもないわ」
私はその言葉を聞き、部屋に戻った。
ケーキ。期待していた私はバカだった。
それと同時に、妹が憎くくて、邪魔な存在になった。
偶々体が弱かっただけ。
偶々可愛かっただけ。
偶々私より出来が良かっだけ。
偶々お母さんの期待に添える人だっただけ
逆に言えば
偶々私は体が丈夫だった。
偶々不細工だった
偶々出来が悪かった。
偶々お母さんの期待に添えない人間だっただけ。
それなのに…
こんな運命なら妹なんて要らなかった。私だけで良かった。
いや、妹にあたるのは違うのかな…
私が生まれてきたのが間違いだったのかな。
それならお母さん。
産まないでよ。
産まないでほしかったよ。
最初から実の子供の能力が分かって、産むか堕ろすかぐらい決めさせてくれたほうが良かったのに。
私は偶々お母さんの子になっただけ。
別に運命でもなんでもない。ただの、運。
いつの間にか雨も止んで外にはうっすら日が出ていた。
もう、夕方になっても明るい。
本格的に夏が来ることを予知している。
私はただ机に向かっていた。
何も考えずに。
考えを持ってしまえば私は死にたい衝動に駆られる。
それを回避するために。
ただひたすら机に向かいノートにペンを滑らせる。
増えていく、数式。増えていく嫌悪感。
この気持ちが何かは理解できなかった。
もしかすると、したくなかったのかもしれない。
それほどにまで、私にとって感情という存在が邪魔で仕方なかった。
「いおりー?ご飯よ!」
「わかった。」
ゆっくりと机をたちリビングに向かう。
リビングに顔をだした。
いつもの食卓じゃなかった。
そこには優希の好きな物ばかり。
「え…?」
「あら!今日は優希の誕生日よ!盛大に祝わなくちゃ!」
私は内心驚いた。
そしてそれと同時に思考は一転した。
(私のときはこんなのなかった。なんで妹ばかり。私はお母さんにとってどんな存在なの??)
席に座ってもその問は出てこない。
私はただ呆然と優希に対するバースデーソングに手を叩いているだけだった。
私って、どんな存在??