「そういうの全部ひっくるめて、俺はおまえが好きなんだよ。毎日柊のことで頭いっぱいで、ほか考えてる暇ねーわ」

呆気にとられている柊に、俺はさらに続ける。

「ちなみに、俺たちのこと浅井と海堂に言った。適度なイチャつきならいいってさ」
「え!? そっ、か。俺は、嬉しいけど…なんで? 遥風、言い難いって…」
「こんなに好きなやつとのこと、隠してんのもどーかと思っただけ」
「あぁ、そういう、えーっと、ちょっと待って。今なんか、めちゃくちゃ愛を伝えられてる気が……」
「あ? まだ足りないか?」

俺は目の前の恋人に夢中だった。ふたりきりで、不安がる彼をどう宥めてやろうかと。

とん、と肩を軽く押すだけで簡単に体勢を崩した柊の頬に触れる。

ベッドの端に座った柊。俺が彼を見下ろす形になる。

「好きだ、汐凪」

下手くそなキスを落とせば、柊は目を見開いて、それからふわりと笑った。

「…俺も。遥風のこと好き。勝手に悩んでたのが馬鹿みたいだ」
「やっと分かったか。汐凪はバカだよ」
「あの遥風がこんなに一生懸命……キスは、俺のが上手いけど」
「…もう絶対しない」

キスが下手なのは分かってんだよ!