その日は放課後に委員会があった。駒木さんと話していた班編成の件は、教師からの許可も下りて1組と6組は合同で班を作ることになった。

「では来週の金曜までに、各クラス3日分の自由行動の班を決めて報告するように」

委員長の号令がかかり、挨拶をしてばらばらと教室を出ていく。俺は筆記用具をまとめつつ駒木さんに声をかけた。

「駒木さん。まだ時間あったらさ、しおりの下書き、今日終わらせない?」
「そうだね! どこでやろっか」

今日は部活がない日なので駒木さんが承諾してくれてよかった。できる時に進めておかないと、意外と時間が無いのだ。俺は自分のクラスを作業場所に提案した。


数分後、俺は己の選択を後悔した。駒木さんと教室に向かうと、よりにもよって柊がいたのだ。日直の記録を書いているらしい。
一瞬入口でぎくりと固まった俺を駒木さんが不思議そうに見ていたので慌てて笑顔を見せる。

「一日目のクラスごとの行動計画、見てもらってもいい?」
「もちろん! 私も最終日の計画考えてきたよ〜」

駒木さんはにこっと笑って頷いた。

役割分担してこつこつ進めてきたものを照らし合わせる。俺たちで考えた大枠をクラス全体に共有して、細かいところを調整していく予定だ。
手書きでなんとなくのスケジュールを書き進めながら駒木さんが言う。

「あとは班決めだね。明後日の6限がHRの時間のはずだから、その時に集まろうか」
「そうだね。修学旅行についてやるって今朝担任も言ってたしちょうどいいと思う」

俺は返しながら、意識は視界の端で帰り支度をしている柊に向いていた。
思えばこの間柊が不機嫌になったのもこんな感じのシチュエーションだった。不完全燃焼のままあんなことが起きて……