翌日、柊は朝から登校してきた。本当にいつでも体調が悪いわけではないらしい。
デカイ声で目が合うやつら全員に挨拶を返している。その様は、クラスのムードメーカー以外の何物でもない。
…元気キャラ。無理して作ってる時もあるってことだよな。
人と深く関わるのを避けようとしていた俺には理解できないことだった。柊はそれで疲れないのだろうか。
「…遥風? なんでそんなに見つめてくるの」
ずいっと急に近づいてきた顔に驚く。くそ、無駄にイケメンだ。
「見つめてねぇよ。 妙なこと言うな」
驚かされたことと、最近柊のことを考えている時間が増えたのにムッとしてそっぽを向く。
どちらも柊は悪くない。…いや、やっぱり悪い。
柊はにこにことこちらを見てくる。こいつが俺の心の平穏を徐々に掻き乱しているのは間違いない。