週明けから、十島の態度が微妙に変化した。
落居と三人で昼を一緒に過ごすとき、日に一度はどちらかの軽口でもう片方が不機嫌になる、というのがお決まりの流れだったが、彼女が相手をいなす余裕を見せるようになったのだ。
ただ、日曜日の出来事を口にする気配はまるでなく、圭太の話がそこに向かいそうになると、目を吊り上げて別の話題に誘導した。
二人の秘密主義に驚くことはもはやなくなったが、せめて基準を示してほしい。
そんな気配を落居は感じ取っていたのだと思う。
ある日の体育の着替えのとき、問いただされた。
「あいつと何かあったのか?」
その質問に答えないことと、十島との秘密を守らないこと。どちらの罪が重いのだろうか。
「僕的には特に何も変わってないけど」
言葉のレトリックというものを初めて使った気がする。
落居と三人で昼を一緒に過ごすとき、日に一度はどちらかの軽口でもう片方が不機嫌になる、というのがお決まりの流れだったが、彼女が相手をいなす余裕を見せるようになったのだ。
ただ、日曜日の出来事を口にする気配はまるでなく、圭太の話がそこに向かいそうになると、目を吊り上げて別の話題に誘導した。
二人の秘密主義に驚くことはもはやなくなったが、せめて基準を示してほしい。
そんな気配を落居は感じ取っていたのだと思う。
ある日の体育の着替えのとき、問いただされた。
「あいつと何かあったのか?」
その質問に答えないことと、十島との秘密を守らないこと。どちらの罪が重いのだろうか。
「僕的には特に何も変わってないけど」
言葉のレトリックというものを初めて使った気がする。