ペルセフォネ 光の王女 十才 ルイヒ出身
ハニエル   ペルセフォネの愛犬 イングリッシュグレードハウンド
アイビー   鍵を握る少女
青年     アイビーを守る者
キース   光の騎士 二十七歳 ナハル出身
ハワード  闇の騎士 三十歳  ウスィク出身
アベル   火の騎士 二十四歳 ゲーラ出身
フランツ  風の騎士 二十八歳 アンガ出身
マリウス  水の騎士 二十五歳 タレー出身
ジュリウス 土の騎士 二十五歳 ハイデ出身
ルーベルト 宰相   十歳   ルイヒ出身 

国名 オフィール  城名ルフレ
首都 草原のウィーゼ エメラルド ガーベラ
神秘と安定の街
北の都 海のタレー アクアマリン ラベンダー
沈黙と聡明、愛情の街
南の都 荒野のハイデ クンツァイト サボテン
枯れない愛、守護の街
東の都 河のナハル  トパーズ  ゼラニウム
決意と友情の街
西の都 花のフロース オパール  ホトケノザ
調和と忍耐の街
静かな村ルイヒ  スギライト  ローズマリー
邪気の予防、静かな力強さ、思い出の村 
岩の町ペトラー  水晶  スズラン
純真、純潔、繁栄の町
山の町オロス  アゲート  エーデルワイス
勇気と大切な思い出の町
夜の村ウスィク オブシディアン ナデシコ
集中力、無邪気、才能の村
星の町ステルラ  アメジスト  アスチルベ
誠実と自由の町
闘いの村ゲーラ  インカローズ  月桂樹
秘めた情熱、清浄、勝利の町
空の町アンガ  ヒスイ  ヤナギ
幸福、憂いの町

静寂な世界、青年が一人、無音に支配された城内を歩く
コンコンコン、城内に彼の足音が響き、まるでこの世界には自分一人だけ残されたかのような苦痛が青年を支配され仕方がない。
青年が立ち止まると無音でしかない
一息吐き出し、中庭を見ると石化した使用人達、石化した城に植物、動物達
日常の一瞬を止められた石化の世界
動いてるのは、色があるのは、青年、ただ一人
青年は長き時と力を使いて一人石化を解き、この城ルフレの主人にしてオフィール国の女王の元へ歩く

石化した城内で唯一石化されてない扉、女王の居る広間への扉
青年はゆっくりと開けると錆びれた音が聞こえ、己の石化されていた年月を感じさせられた。
あの日、王女ペルセフォネ様の成人の儀の最中だった。
王女から女王へ
その為この広間には騎士団員、神子達、重役達が居り、その全てが石化されてる
青年は彼等をぶつからない様に歩み、王座へと向かう
王座へ上がる階段の手前で青年は立ち止まり、王座の方に見上げる
王座の前で向かう二人の少女、二人を守ろうとする十九人の青年と一人の女性の姿
その一瞬で止まってる。

彼女が国、オフィールを守る為に、力を使い、六人の青年も王女を守る為に力を使い、庇おうとして力を爆発し、さまざまな力が混じり合い、石化となし、城、ルフレは深い闇の眠りに落ちたのだ。

いつ寝覚めるか解らぬ王女と、ルフレ、オフィールの人々
恐らく王女、騎士団長、神子長、宰相が寝覚めない限り、ルフレの者達も起きる事はないだろう
国オフィールは今どのような状態なのか、青年も解らない

しかし青年は国オフィールの為、王女の為に石化を解き動き出す
彼はずっとそうして生きて来たのだから
青年は王座の前に跪く
「騎士団長様方、宰相様、そうして我等の王女様、どうかお目覚めを、私は皆様の為に動きましょう」
青年は深く一礼し、ゆっくりと立ち上がり、広間から立ち去る
だから青年は気付かない、王女の体が淡く光った事に
(―――――)



現在
アイビーは一人図書館へ向かい、いつもの様に自分の求める本を探してる
アイビーは両親を知らず、物心ついた時から施設で育った。
アイビーは時間を見付けると図書館へ行き、静かに過ごすのだ
そんなアイビーの姿を青年は見つめ、手にしてる本を強く掴む
(彼女が………オフィールの……)
青年はさまざまな葛藤の中、手にしてる本を、本棚におさめて、そっとその場から放れる
アイビーはさまざまな本を眺めて、青年が置いた本に目を止めて、手にかける
それを青年は見て涙を流す
(やはり彼女が、王女様の…………)

Persephone

古く色褪せた大きめな本
スピカは乙女座の一番星の名前
アイビーは乙女座に関する小説と考えて、席に座り、この「Persephone」を読む事にした。

そんなアイビーの姿を見て、青年はアイビーを見守る
これでいいんだ
全てはオフィールと王女の為
Persephoneの本が淡く光る
この空間にはアイビーと青年しか居ない
しかしその事にアイビーは気付かない
王女と青年による結界の為、こちら現世の者に気付く者は居ない。