「だって仲良しみたいじゃん」
「仲良しじゃないの? 蒼菜たち」
「……普通でしょ」
前までは仲良くなかった、と断言出来る。やっと普通に戻ったくらい。でも蒼菜にとってはずっとそうだったから、これは私の気持ちが少し変わったということなのだろう。
脱衣場や休憩所、フードコートが併設している海の家へ戻り、ロッカーに入れていた財布を手に取って二人でメニューとにらめっこ。あれも食べたいこれも食べたいという蒼菜を横目に、私もつい優柔不断になってしまう。焼きそばもいいしカレーもいい、ラーメンもありだし、あ、おにぎりがある。おにぎりは外せないだろう。デザートも……。
「かーのじょ」
蒼菜の横から声が発せられ、先に反応したのは私の方だった。見ると大学生くらいの男性数人が私たちの周りを取り囲んでいる。私たちのようにレジに並んでいる……ようには見えない。
「悩んでるなら俺らと一緒にシェアしねえ?」
「え、本当ですか?」
「蒼菜」
乗り気になった蒼菜をすぐに窘める。ぺろ、と舌を出して私にウインクしてきた。軽い謝罪……のつもりなのだろう。
「間に合ってます。私たちここで食べるのやめますので」
「えーそんな釣れないこと言わないでさあ」
腕を掴まれ、振り払おうにも力を入れられてしまう。痛くて顔を歪めると心なしか男は嬉しそうに口元を歪めた。レジの人も止めてくれたらいいのに、と思ったが同じようにおろおろしている女の子の顔を見て諦めかけた時だった。
「あーだめだめ、その子ら俺らと食うから。な?」
「仲良しじゃないの? 蒼菜たち」
「……普通でしょ」
前までは仲良くなかった、と断言出来る。やっと普通に戻ったくらい。でも蒼菜にとってはずっとそうだったから、これは私の気持ちが少し変わったということなのだろう。
脱衣場や休憩所、フードコートが併設している海の家へ戻り、ロッカーに入れていた財布を手に取って二人でメニューとにらめっこ。あれも食べたいこれも食べたいという蒼菜を横目に、私もつい優柔不断になってしまう。焼きそばもいいしカレーもいい、ラーメンもありだし、あ、おにぎりがある。おにぎりは外せないだろう。デザートも……。
「かーのじょ」
蒼菜の横から声が発せられ、先に反応したのは私の方だった。見ると大学生くらいの男性数人が私たちの周りを取り囲んでいる。私たちのようにレジに並んでいる……ようには見えない。
「悩んでるなら俺らと一緒にシェアしねえ?」
「え、本当ですか?」
「蒼菜」
乗り気になった蒼菜をすぐに窘める。ぺろ、と舌を出して私にウインクしてきた。軽い謝罪……のつもりなのだろう。
「間に合ってます。私たちここで食べるのやめますので」
「えーそんな釣れないこと言わないでさあ」
腕を掴まれ、振り払おうにも力を入れられてしまう。痛くて顔を歪めると心なしか男は嬉しそうに口元を歪めた。レジの人も止めてくれたらいいのに、と思ったが同じようにおろおろしている女の子の顔を見て諦めかけた時だった。
「あーだめだめ、その子ら俺らと食うから。な?」