現実で見た花火よりも大きく、綺麗に見えるのは星々がはっきりと見えることも影響しているのだろうか。赤、青、黄色、緑、色んな形の花が夜空に咲いては散っていく。花の一生がそこに収縮されていて、思わず手を伸ばす。
「綺麗だね」
「だな。何回見ても綺麗だ」
火薬の匂いも、夏の暑さも、べたべたした感じもここにはない。ただクリアに夜空に花火が描かれる。
横目に彼を見ると、火の色が顔に乗って、カラフルな光が瞳に宿っている。綺麗。手を伸ばせば届く距離。花火よりも、ずっと近くにいる。
なのに、気安く手を伸ばせない。伸ばしてはいけない。私は手を引っこめ、花火に見入った。
「そういえば、どうだった? タロちんとは」
明らかにからかっている口調だった。やれやれ、と首を横に振った。
「どうもこうも。私より花乃子と仲良くなったみたいだし」
「そうなんだ? まあ花乃子ちゃんのツンツンとした感じ、タロちんと合いそうだしなあ。どっちもツンツンしてるし」
「言われてみればそうかも」
つい思い出し笑いしてしまう。なるほど、似た者同士なのか。
「綺麗だね」
「だな。何回見ても綺麗だ」
火薬の匂いも、夏の暑さも、べたべたした感じもここにはない。ただクリアに夜空に花火が描かれる。
横目に彼を見ると、火の色が顔に乗って、カラフルな光が瞳に宿っている。綺麗。手を伸ばせば届く距離。花火よりも、ずっと近くにいる。
なのに、気安く手を伸ばせない。伸ばしてはいけない。私は手を引っこめ、花火に見入った。
「そういえば、どうだった? タロちんとは」
明らかにからかっている口調だった。やれやれ、と首を横に振った。
「どうもこうも。私より花乃子と仲良くなったみたいだし」
「そうなんだ? まあ花乃子ちゃんのツンツンとした感じ、タロちんと合いそうだしなあ。どっちもツンツンしてるし」
「言われてみればそうかも」
つい思い出し笑いしてしまう。なるほど、似た者同士なのか。