目を覚ますと、白い天井が視界に入った。横を向くと望月くんがベッドに肘をついて、私と同じように、寝ぼけた目で微笑みかけてきた。
「おはよう」
「おはよう……。え、私……ここ、病院?」
「第一声がそれか? まあ、そりゃそうだよな」
それから望月くんが医者を呼んでくれて、説明を受けた。私は家族との旅行中、交通事故に遭い、命に別状はないもののここ三日起きなかったらしい。幸い車も猛スピードで走っていなかったことが功を奏したようで、運が良かったねえ、と間延びした声で言われた。
それから親に連絡してくれ、望月くんが私のスマートフォンから花乃子や神崎さんたちに目を覚ましたことを伝えてくれた。鳴り止まない通知は心配の声と比例していて、嬉しくて笑ってしまった。
両親が来る間、私たちは話をすることにした。と言っても、話したいことは山ほどあるのに、何から話していいのか分からずに、辺りに視線を走らせた。
個室らしく、棚には大きなカバンが置かれている。私の着替えなどが入っているのだろう。頭に触れると包帯が巻かれていて、ズキズキと痛みを思い出す。
「親御さんがさ」
ぽつりと、望月くんが口にした。私は彼に視線を向けた。
「泣いてたよ、星村のお父さんも、お母さんも。当たり前なんだけどさ、蒼菜ちゃんも泣きじゃくってて。今、たまたま席を外してるけど、いつも長時間ここにいるんだ」
「へえ。そりゃ意外だね」
「うん……。もう一度話し合ってもいいのかもしれないな」
「……どうだろ。望月くんは、どうしてここに?」
彼は窓の外に視線を向けると、しばらくして、恥ずかしいけどさ、と私に照れたような笑みを返してきた。
「呼ばれたような気がしたから来た……なんて、言ったら笑うか?」
「私に? ……ううん、私も。……私も、望月くんに呼ばれた気がする。だからまたあそこで会えたのかも」
私も頬が綻んだ。きっと、彼と同じ顔をしている。
最初は、私の夢に彼が入ってきたのだと思う。それから彼の夢に私が入っていって、彼が拒絶をしたから、私は入れなくなった。
「おはよう」
「おはよう……。え、私……ここ、病院?」
「第一声がそれか? まあ、そりゃそうだよな」
それから望月くんが医者を呼んでくれて、説明を受けた。私は家族との旅行中、交通事故に遭い、命に別状はないもののここ三日起きなかったらしい。幸い車も猛スピードで走っていなかったことが功を奏したようで、運が良かったねえ、と間延びした声で言われた。
それから親に連絡してくれ、望月くんが私のスマートフォンから花乃子や神崎さんたちに目を覚ましたことを伝えてくれた。鳴り止まない通知は心配の声と比例していて、嬉しくて笑ってしまった。
両親が来る間、私たちは話をすることにした。と言っても、話したいことは山ほどあるのに、何から話していいのか分からずに、辺りに視線を走らせた。
個室らしく、棚には大きなカバンが置かれている。私の着替えなどが入っているのだろう。頭に触れると包帯が巻かれていて、ズキズキと痛みを思い出す。
「親御さんがさ」
ぽつりと、望月くんが口にした。私は彼に視線を向けた。
「泣いてたよ、星村のお父さんも、お母さんも。当たり前なんだけどさ、蒼菜ちゃんも泣きじゃくってて。今、たまたま席を外してるけど、いつも長時間ここにいるんだ」
「へえ。そりゃ意外だね」
「うん……。もう一度話し合ってもいいのかもしれないな」
「……どうだろ。望月くんは、どうしてここに?」
彼は窓の外に視線を向けると、しばらくして、恥ずかしいけどさ、と私に照れたような笑みを返してきた。
「呼ばれたような気がしたから来た……なんて、言ったら笑うか?」
「私に? ……ううん、私も。……私も、望月くんに呼ばれた気がする。だからまたあそこで会えたのかも」
私も頬が綻んだ。きっと、彼と同じ顔をしている。
最初は、私の夢に彼が入ってきたのだと思う。それから彼の夢に私が入っていって、彼が拒絶をしたから、私は入れなくなった。