今までそんなに暗い顔だったのだろうか。思わず頬に触れると私の気持ちを汲み取ったように「初めて会った時は酷い顔してたよ」と補足される。いらない補足に再び睨んでしまう。でも、と屋詰さんは続けた。
「今は、寂しそうな顔してる」
どきりと、した。言い返す言葉も思い付かない。図星だった。
毎日、毎日、寂しい。生きるのがしんどい。
でも、私が消えたら、と思うと、悲しむ人達の顔が浮かんでしまう。その中にはもちろん望月くんもいる。きっと彼は私がいなくなったら傷付く。望月くんを、悲しませたくない。だから踏ん張って生きようと思える。
「望月くんも、孤独だって言うんですか? あんなに周りに人がいるのに」
これ以上、私の心に踏み込んで欲しくなくて話題を変えたが、屋詰さんは歩き始めると私を追い越していく。私も慌てて背中を追いかけた。
「俺はいっせが孤独を感じないようにいつも傍にいた。だから分かるんだ、俺じゃ埋められないって。あんたの言う通り、他にも周りに人はいるがいっせはそいつらに心を開いていない。……孤独かどうかはその人の心が決めるもんだろ」
彼の言葉に、私は俯いた。身に覚えがあったから。
私も心を閉ざした。私が孤独になったのは私自身が原因なのだから、心を閉ざすなんておこがましいのかもしれない。それでも、私に味方はいないと感じていた。
実際には、蒼菜や、花乃子、紬がいたのに。
「着いてきて欲しい場所がある」
「へ……どこですか?」
「それは着いてくれば分かる」
そう言うと口を結ぶ。言う気はないらしい。仕方ない。ため息を殺して着いていくことにした。
電車を五駅乗り継いで、閑静な住宅街を抜けると、連れていかれた場所は公園だった。その公園には見覚えがある。
ブランコ、滑り台、砂場と屋根のついたベンチがあるだけの小さな公園。私はベンチに向かって歩みを進める。
夢の中で見た場所だ。あのベンチで、望月くんは泣いていた。あの時と同じように腰をかけると、その横を屋詰さんが座った。
「ここ、夢の中で見た公園です」
「やっぱりそうか。……ここは、いっせにとって、大事だけど、壊してしまいたい、そんな場所なんだ」
「今は、寂しそうな顔してる」
どきりと、した。言い返す言葉も思い付かない。図星だった。
毎日、毎日、寂しい。生きるのがしんどい。
でも、私が消えたら、と思うと、悲しむ人達の顔が浮かんでしまう。その中にはもちろん望月くんもいる。きっと彼は私がいなくなったら傷付く。望月くんを、悲しませたくない。だから踏ん張って生きようと思える。
「望月くんも、孤独だって言うんですか? あんなに周りに人がいるのに」
これ以上、私の心に踏み込んで欲しくなくて話題を変えたが、屋詰さんは歩き始めると私を追い越していく。私も慌てて背中を追いかけた。
「俺はいっせが孤独を感じないようにいつも傍にいた。だから分かるんだ、俺じゃ埋められないって。あんたの言う通り、他にも周りに人はいるがいっせはそいつらに心を開いていない。……孤独かどうかはその人の心が決めるもんだろ」
彼の言葉に、私は俯いた。身に覚えがあったから。
私も心を閉ざした。私が孤独になったのは私自身が原因なのだから、心を閉ざすなんておこがましいのかもしれない。それでも、私に味方はいないと感じていた。
実際には、蒼菜や、花乃子、紬がいたのに。
「着いてきて欲しい場所がある」
「へ……どこですか?」
「それは着いてくれば分かる」
そう言うと口を結ぶ。言う気はないらしい。仕方ない。ため息を殺して着いていくことにした。
電車を五駅乗り継いで、閑静な住宅街を抜けると、連れていかれた場所は公園だった。その公園には見覚えがある。
ブランコ、滑り台、砂場と屋根のついたベンチがあるだけの小さな公園。私はベンチに向かって歩みを進める。
夢の中で見た場所だ。あのベンチで、望月くんは泣いていた。あの時と同じように腰をかけると、その横を屋詰さんが座った。
「ここ、夢の中で見た公園です」
「やっぱりそうか。……ここは、いっせにとって、大事だけど、壊してしまいたい、そんな場所なんだ」