「彼女と別れたから気を使って誘ってくれたって」
「その気持ちも嘘じゃないと思う。でも連れ歩けば……って気持ちも、あいつらにはあるんだよ」
 投げやりな言い方をしているが、そういえば、と私もあの時違和感を覚えたことを思い出す。やけに望月くんを持ち上げていた。まるで、頑張って貰わなきゃ、と言わんばかりに。
「俺の周りにはそんな奴ばっかりなんだ。元カノは違うって思ってたけど、時間が経てば人は変わるんだな……」
 ため息を落として、膝を抱えて座り直し、キャンプファイヤーに視線を投げた。
「俺、時間が経つのも、人が変わっていくのも、怖いよ。このままじゃいられないのかな」
 ああ、だから。ここに来た時の彼の言葉を思い出す。不安であんなことを言ったのか。
「あのね、望月くん。私は……私も、変わっていく人たちが怖かった。今まで仲良かった人が私を見放した時の目……今でも、思い出すと、怖い。……でもね、怖いだけじゃないんだって今日分かったの。一人ぼっちだった私の周りには今たくさんの人がいる。望月くんの言うように、そういう場所を作れたんじゃないかって思うの。だから、変化も悪い方に変わっていくだけじゃないはずだよ」
「星村……」
 顔を上げたが、やはりどこか力ない。
 私は、ずっと頭の片隅にあったあのことを話そうと決めた。
「……あのね、望月くん。望月くんが、私の教室を見に来てくれた時に来た女の子たちなんだけどさ」
「うん」
 口を真一文字に結んで、話を聞く体勢を取ってくれる。緊張していたが、何となく安心できて、一息ついてから続けた。
「あの子たちは私の中学時代の友達……だった。私に一番突っかかってきたボブの子をリーダーにしてね、当時……虐めがあった。ターゲットはクラスでいつも一人でいた女の子。その時はあの子たちとは友達じゃなくて、私にも自分のグループがあった。言い訳みたいになるけど、虐めは彼女たちグループの中だけで蔓延してたみたいで知らなかったの。それで、ある日知ることになるんだけど知ったその日に彼女たちと友達になった」
 今でも思い出せる。