「みんなで考えたんですけど、どうですかあ?」
「センスの塊だな。面白いよ、俺も見習いたい」
「いやいや、先輩に比べたら」
「いやあ、俺芸人目指してるから」
「うそ!」
「嘘」
「もう、先輩ったら」
二人の笑い声が聞こえてくる、はずなのに、望月くんの笑い声だけがやけに耳に届く。大きく、響く。
びっくり、した。まだ顔が熱い。
夢の中で毎日会っているのに、外でだって、海とか、花火大会とか、そういう場でも会っていたのに、今までとは違った。
特別な場じゃない、青春という時間の中の、私の生活に彼がいる。ただそれだけのことが、こんなにも、言葉にできない気持ちにさせるなんて。
「あさっきー、顔赤いよ」
神崎さんに頬をつつかれ、思わず飛び退いてしまう。にやりとからかう調子が顔に乗るのが分かった。
「へえ、そっかそっか、あさっきー、望月先輩のファンなんだ。このクラスにもいっぱいいるもんね。よし、あたしが一肌脱いで」
「い、いい、いい、やめてっ」
腕まくりをして力を入れる神崎さんを止めていると、あっれー、と素っ頓狂な声が発せられた。
その声は聞き覚えのあるもので、私は、固まってしまう、
「歩咲じゃん」
ゆっくりと振り向くと、中学時代、仲良くしていた子たちがいた。
「え、ほんとに歩咲じゃん! そっか、紬と一緒の高校へ行ったんだっけ」
みんな、変わっていない。ゆう、チエ、ナッツ、みつちゃん、それに、カッパ……。
「あさっきー、友達?」
掴まれたままの神崎さんが、私の腕を解くと耳打ちしてきた。けれど答えることが出来ずに、生唾を飲む。
カッパが、にたりと笑った。その笑みは私を傷付けるには、十分なもの。
「久しぶりじゃん、歩咲。またクラスのリーダー面して、人の揚げ足取って、笑い取ってんの?」
「センスの塊だな。面白いよ、俺も見習いたい」
「いやいや、先輩に比べたら」
「いやあ、俺芸人目指してるから」
「うそ!」
「嘘」
「もう、先輩ったら」
二人の笑い声が聞こえてくる、はずなのに、望月くんの笑い声だけがやけに耳に届く。大きく、響く。
びっくり、した。まだ顔が熱い。
夢の中で毎日会っているのに、外でだって、海とか、花火大会とか、そういう場でも会っていたのに、今までとは違った。
特別な場じゃない、青春という時間の中の、私の生活に彼がいる。ただそれだけのことが、こんなにも、言葉にできない気持ちにさせるなんて。
「あさっきー、顔赤いよ」
神崎さんに頬をつつかれ、思わず飛び退いてしまう。にやりとからかう調子が顔に乗るのが分かった。
「へえ、そっかそっか、あさっきー、望月先輩のファンなんだ。このクラスにもいっぱいいるもんね。よし、あたしが一肌脱いで」
「い、いい、いい、やめてっ」
腕まくりをして力を入れる神崎さんを止めていると、あっれー、と素っ頓狂な声が発せられた。
その声は聞き覚えのあるもので、私は、固まってしまう、
「歩咲じゃん」
ゆっくりと振り向くと、中学時代、仲良くしていた子たちがいた。
「え、ほんとに歩咲じゃん! そっか、紬と一緒の高校へ行ったんだっけ」
みんな、変わっていない。ゆう、チエ、ナッツ、みつちゃん、それに、カッパ……。
「あさっきー、友達?」
掴まれたままの神崎さんが、私の腕を解くと耳打ちしてきた。けれど答えることが出来ずに、生唾を飲む。
カッパが、にたりと笑った。その笑みは私を傷付けるには、十分なもの。
「久しぶりじゃん、歩咲。またクラスのリーダー面して、人の揚げ足取って、笑い取ってんの?」