四人で食卓を囲み、蒼菜を中心に話が盛り上がる。思い出して以来、私の食事も用意をするようになった母からの視線を受け止めながら料理を口に含む。私も目を合わせるとすぐに逸らされる。
いつ私がこの料理を否定し、ゴミ箱に捨てるか、監視しているのが見て取れる。
でももうそんなことはしない。母が何もしないなら、私だって何もしない。当たり前だろう、なのに……一方的に、私に怯えている。私がいつ暴れるかとヒヤヒヤしている。心外だ。
それに対して、抗議しようとも思わない。
この人たちは話し合っても無駄な人たちだから。望月くんが言っていたように、私ももう話し合う気はない。
「ご馳走様でした」
手を合わせ、肩を震わせた母が視界に入ったが知らん顔で玄関へ向かう。遅れて「ご馳走様でした!」と蒼菜の声が聞こえ、駆け寄ってきた。
「お姉ちゃん一緒に行こ!」
「いいけど、途中で花乃子も一緒だよ」
「やった」
嬉しそうにはにかみながら家を出た。私もその背中に続く。
十月にもなると、幾分日差しが弱まり、日中はまだ暑いが、登校する分には快適な気候。きゃっきゃっとはしゃぎながら追い越していく小学生たちの背中を見送っていると、蒼菜が身を寄せてきた。
「ちょっと、暑いんだけど」
「えへへー、懐かしいね。蒼菜たちもあの子たちみたいにみんなで学校行ってたよねえ」
彼女の言う通り、昔は私と蒼菜と花乃子で登校していた。いつからか……そうだ、小学六年生の時に、蒼菜を拒否するようになったのだ。ちょうど、母に反抗した頃。
「……友達と登校するようになってたから、気にしてないんだって思ってた」
バツが悪くて言い訳がましくなる。知ってか知らずか、蒼菜は笑ってくれた。
いつ私がこの料理を否定し、ゴミ箱に捨てるか、監視しているのが見て取れる。
でももうそんなことはしない。母が何もしないなら、私だって何もしない。当たり前だろう、なのに……一方的に、私に怯えている。私がいつ暴れるかとヒヤヒヤしている。心外だ。
それに対して、抗議しようとも思わない。
この人たちは話し合っても無駄な人たちだから。望月くんが言っていたように、私ももう話し合う気はない。
「ご馳走様でした」
手を合わせ、肩を震わせた母が視界に入ったが知らん顔で玄関へ向かう。遅れて「ご馳走様でした!」と蒼菜の声が聞こえ、駆け寄ってきた。
「お姉ちゃん一緒に行こ!」
「いいけど、途中で花乃子も一緒だよ」
「やった」
嬉しそうにはにかみながら家を出た。私もその背中に続く。
十月にもなると、幾分日差しが弱まり、日中はまだ暑いが、登校する分には快適な気候。きゃっきゃっとはしゃぎながら追い越していく小学生たちの背中を見送っていると、蒼菜が身を寄せてきた。
「ちょっと、暑いんだけど」
「えへへー、懐かしいね。蒼菜たちもあの子たちみたいにみんなで学校行ってたよねえ」
彼女の言う通り、昔は私と蒼菜と花乃子で登校していた。いつからか……そうだ、小学六年生の時に、蒼菜を拒否するようになったのだ。ちょうど、母に反抗した頃。
「……友達と登校するようになってたから、気にしてないんだって思ってた」
バツが悪くて言い訳がましくなる。知ってか知らずか、蒼菜は笑ってくれた。