「おはようございます」
「おはよーっす」
先に来ていた部長と課長は挨拶を返したくれたけど、向かいに座っているお局は相変わらず。
パソコンに集中している風を装っているけど、挨拶くらいは社会人の常識として、返した方が良いのにと思う。
私の後に来た女の子が挨拶をすると、よく聞こえる声で高めのキーの挨拶が聞こえた。
あからさますぎて、気分悪い。
今日も絶好調だと無理矢理流して、自分の仕事に集中した。
さぁ、いつ伝えようか。そればかりが気になって、仕事にいつも以上に集中できるか不安。
「花井さん」
「はいっ」
「来週姪っ子が誕生日なんだけどね、あなたと同い年ぐらいなのよ。あなたなら、何をもらったら嬉しい?」
また怒られるのかと思ったら、雑談だった。会社で雑談は初めてかもしれない。
最初から目をつけられていて、いびられ続けていたから、急に優しく気の緩む雑談は動揺する。