「俺は変わりたいと思いながら、動けなくて結局自爆して終わったの。こういう人が同じように出てきたら、みんなしんどくて生きていけなくなっちゃう。るいさんもそんな仲間に入ってほしくないんだ」


「うん、それは嫌です」


「早くしないと、るいさんが壊れるかもしれないからって焦ってたのがいけなかったね。どんどんるいさんが沼にのまれちゃうって。焦っても良いことないって人間の時に学んでたはずなのに」


「私は…、怖い。誠さんの言ってること、理解はしてます。自分がどうしないといけないのかも分かってます」


「理解してもらえてて、良かった」


「でも今まで、自分から決められた世界を飛び出すってことをしてこなかったから、飛び出し方とか飛び出した後のことを考えると、不安で怖くて。自分には何もなくなるわけだから。そういうのを考えると、止まっちゃいます」