「怖いことを怖いって言っちゃダメなんですか?誠さんこそ上辺の善意を並べて…、そんな自分を変えられなかったから、今ここに居るんですよね?そんな人に言われても響かないし、誠さんに言われて動いたって良い結果にはつながらないと思う!」
「やってみなきゃ分かんないし、そうやっていつまでも逃げて苦しむのが好きなの?苦しみたいなら、いくらでも苦しみな!俺は後悔を引きずりたくないだけだ!それを上辺とか言うなら、そっちの方が上辺だ!理想を並べて問題から逃げてるだけで、踏み出す勇気がないから、自分は可哀想な奴だってその場で足踏みしてるだけじゃないか!」
頭では言い返す言葉が溢れているのに、音になって出たことはなかった。
でも胸から湧き上がってきた、悪の塊の欠片が一つ出たことで支えが取れて、今まで溜めていたものが一気に溢れて止まらない。