「ついでに、ここ座ってくれる?」
「何か、お話ですか…」
「ごめんね…」
私が部長に謝ることはあっても、部長に謝られることなんて、一つもない。
何となくお局のことかと予想はついたけど、部長の申し訳なさそうな表情に、そんなことで手を煩わせてしまったことが申し訳なくなる。
「多分分かってるとは思うけど、花井さんの向かいに座ってる人の話でね」
向かいに座っているのは、お局。やっぱりそうだった。
「本当に、すみません」
「何で花井さんが謝るの!?」
「部長こそ。別に部長が悪いわけじゃないですから」
「いや…。実はね、今まで数え切れないぐらいの人数を辞めさせてきてるんだよね」