事務所に戻ってきて椅子に腰掛けると、またお局が口を開いた。




「花井さん、何してたの?」


「え、少しお手洗いに…」


「ふーん…。長い時間席を外すなら、一声かけてから行ってくれるかな。困るんです」


「…すみません。気をつけます」





お局が私に一声かけたことがあっただろうか。


自分のことは棚に上げておいて、他人のミスを小姑のように指摘してくる。




よくそこまでミスを指摘してくるなとは思うけど、それは同時に私のことを観察している証拠。


嫌いなら放っておけば良いのに。



お局にバレない程度に小さくため息を吐くと、部長に話しかけられた。