「誠さん…。疑問が一つあるんですけど」


「はい、何でしょう」




聞きにくいなとは思いつつも、聞かないとお互いに理解できないと思うから言う。




「…ここに住むつもりですか?」


「…えぇ。そうなりますね。家はないですから」


「いや、転生する前に住んでた家があるじゃないですか」


「俺は昨日死んだので、両親が部屋を片付けてから解約すると思うので、家はないです」




嫌な予感はした。昨日は猫だったから、可愛いなと思って泊めたけど、人間は心を許さないと踏み込めない。



「この家、狭いし。ご飯も二人分要るし、寝る場所だってベット一つしかないし、何より家賃半分払える収入ありますか?」


「収入はないけど、貯蓄はある。ご飯は一人暮らし歴長いんで、作ります。るいさんの生活は支えられますよ」


「貯蓄は引き出しておかないと、誠さんのものじゃなくなりますよ?」


「あ!何も引き出してない…。じゃあ貯蓄もないですね…」