神様に教えてもらったとか、信じがたいことを話しているけど、猫から人間に転生したことを受け入れたのもあり、あり得ないと思うことも受け入れることにした。
携帯を取りに行こうと上げかけていた腰を下ろして、コーヒーを一口飲んでまた話を聞く姿勢を作る。
「俺のことは誠って呼んでください。あなたは?るいって呼んだほうが良い?」
「初対面で呼び捨ては…、さすがに壁を作ります」
「じゃあ、るいさん。これなら壁はない?」
「はぁ…、まぁ」
呼び捨てでは呼べず、誠さんと呼ぶことにしたけど、苗字に鶴が入っていて何ともおめでたい。
誠さんと呼ばずに千代鶴さんと呼びたいぐらい。
「俺、千代鶴っていう苗字が嫌いで。抜けた顔して名前負けしてるって、いつも言われてきたんで、苗字で呼ばれると、どんどん自分が嫌いになる」