次に意識が戻ってきた時には、夜に閉める分厚いカーテンから外の光が少し漏れて、床に反射していた。
今日はよく寝た。猫ちゃんの温かさのおかげだろうか。
夢を見ることもなく、ぐっすりと眠れて朝を迎えた。
私のお腹で落ち着いて丸くなっていた猫ちゃんを撫でようと手を伸ばすと、触れたのはシルクのシーツ。
移動したのかと、背中に手を回してみたり足を動かしてみたり。
どうしても猫ちゃんの気配を感じられない。
起きてリビングにでも居るのだろうか。窓辺で日向ぼっこでもしてるのかな。
のそっと起き上がって、爆発した前髪の寝癖を手櫛で直しながら猫を探したけど、見当たらない。
「窓開けてないから、出て行かないよね…」
ベットの下を探すのを忘れたのを思い出して、もう一度寝室に戻って床に這いつくばる。
隅々まで見渡したら、猫ではなく人間の足らしきものが向こう側に見えた。