髪の毛を時間をかけて乾かしてリビングに戻ると、お皿からツナ缶と水が無くなっているのが見える。
「食べたの?美味しかった?」
真剣に毛繕いをしているらしく、私の質問を無視した猫ちゃん。
全部食べてくれたってことは、美味しかったってことで良いのかな。
お皿を下げて、一息つこうとベットに寝転がる。
この瞬間がたまらない。全身を強張らせていたのが、横になるのを合図に全筋肉が緩んでいく。
目を瞑ったら、寝落ちてしまいそう。
そこは我慢して目を擦り、大の字に寝転がって今日一日を振り返った。
絶対耳に入ったであろう挨拶は、返してもらえなかった。勇気を振り絞った質問も、見えない圧力で馬鹿にされ、行きたくない飲み会で社員のごますりと、それに陽気に乗せられるお局を見せつけられ。
そして、飲み会の帰りに可愛い猫ちゃんを拾って、家まで連れて帰った。