テスト最終日を終えたクラスメイトたちの表情はどこか晴れやかだ。部活やクラブ活動も再開し、日常生活が戻ってきた。
僕は初日ガタガタだったけど、昨日と今日のテストは手応えを感じた。先週の勉強会や図書館での自習も無駄ではなかったみたい。
「安麻田、実行委員会行くぞ」
「うん」
放課後、各クラスの代表が集まっての文化祭実行委員の会合が開かれた。全員顔を合わせるのは今日が初めてで、約二週間後に迫る将英学園文化祭の打ち合わせをするのだ。
既に申請済みだが、各クラスの出し物の再確認と備品の利用申請、自分の教室以外に場所が必要なら日時を指定して借りる手続きをせねばならない。
他のクラスはテスト明けで油断していたのか、まだ具体的な話を決めていなかったようだ。うちのクラスは事前に土佐辺くんと色々詰めておいたので申請する内容は決まっている。おかげで、事前準備のために家庭科室を数日貸し切る権利と当日使うホットプレートなどの備品を押さえることが出来た。
「先に決めておいて良かったね」
「ああ。三年生はともかく一、二年生は慣れてないからな。予定通り人気の備品を幾つかキープ出来た」
「さすが」
委員会での発言も任せっきりにしちゃったし、事前の話し合いも彼が仕切ってくれた。