えっへんとドヤ顔をした由貴。またしばらく歩くと、ようやく城に着いた。
街並みを見せたかった由貴は、城下町の方へと転移していたのだ。
「……ここだ」
「え?こ、このお城!?」
「ああ。入るぞ」
大きな扉がギギギ……と音を立ててゆっくり開いていく。
「「「お帰りなさいませ旦那様」」」
たくさんのあやかしたちが、深々と頭を下げる。由貴はそれが当たり前なのか、表情一つ変えずに歩いて行く。
「よし、そろそろ空気にも慣れただろう。まだ腕の中にいてもいいが、降りるか?」
「は、はい……運んでくれて、ありがとうございました」
「気にすることはない。お前に触れられるならいつでも大歓迎だぞ?」
「遠慮しときます」
由貴の勧誘をのらりと交わした日和を見て、あやかしたちはとても驚いていた。
ザワザワと騒ぎ立てる中、由貴が歩き始めるとすぐに声は静まる。
「日和様」
透明感のある女性の声がして振り向くと、そこには雪女と見られる美しい美女が立っていた。
「今日から日和様のお世話係を務めさせていただきます、冷菜(れいな)と申します。よろしくお願いいたします」
「よ、よろしくお願いします……!」
ぺこぺこと頭を下げる。ぶっちゃけ、お世話係?なんて疑問に思っていたものの、いちいち気にしていては気が持たなそうだったので我慢した。
今度は背後から、九尾のような美しい男性が現れる。
「初めてまして日和様、わたくし、旦那様の補佐官をさせていただいております、狐月(きつねぎ)宗介と申します。よろしくお願いいたします」
「あっ、よ、よろしくお願いします……!」
(誰もからもが国宝級の美形だ……!!)
どんどん肩身が狭くなっていく中、由貴に手を握られ、引かれていく。
部屋まで案内してくれるらしい。
長い、豪華な廊下を歩き、階段を登ったり、エレベーターに乗ったり。
驚くことに、妖力を使ってできているエレベーターがあったのだ。
この世界では、送り箱と呼ばれているらしい。
ある程度上の階まで登り送り箱から降りると、また長い廊下を歩いていく。
「そうだ、お前の着物も用意しないとな。好みの色などあるか?」
「え、えっと……ピンク色が、好きです……」
「わかった、ではピンク色の物を中心的に揃えよう。部屋に着く頃には用意が終わるだろうから、安心していてくれ」
「えっ!?は、はい……」
まさかの早さに驚くも、正直この世界観に打ちのめされてクタクタだった。
それどころ、李莉までこっちの世界に来ていてはどうしようと、不安を感じていたのだ。
街並みを見せたかった由貴は、城下町の方へと転移していたのだ。
「……ここだ」
「え?こ、このお城!?」
「ああ。入るぞ」
大きな扉がギギギ……と音を立ててゆっくり開いていく。
「「「お帰りなさいませ旦那様」」」
たくさんのあやかしたちが、深々と頭を下げる。由貴はそれが当たり前なのか、表情一つ変えずに歩いて行く。
「よし、そろそろ空気にも慣れただろう。まだ腕の中にいてもいいが、降りるか?」
「は、はい……運んでくれて、ありがとうございました」
「気にすることはない。お前に触れられるならいつでも大歓迎だぞ?」
「遠慮しときます」
由貴の勧誘をのらりと交わした日和を見て、あやかしたちはとても驚いていた。
ザワザワと騒ぎ立てる中、由貴が歩き始めるとすぐに声は静まる。
「日和様」
透明感のある女性の声がして振り向くと、そこには雪女と見られる美しい美女が立っていた。
「今日から日和様のお世話係を務めさせていただきます、冷菜(れいな)と申します。よろしくお願いいたします」
「よ、よろしくお願いします……!」
ぺこぺこと頭を下げる。ぶっちゃけ、お世話係?なんて疑問に思っていたものの、いちいち気にしていては気が持たなそうだったので我慢した。
今度は背後から、九尾のような美しい男性が現れる。
「初めてまして日和様、わたくし、旦那様の補佐官をさせていただいております、狐月(きつねぎ)宗介と申します。よろしくお願いいたします」
「あっ、よ、よろしくお願いします……!」
(誰もからもが国宝級の美形だ……!!)
どんどん肩身が狭くなっていく中、由貴に手を握られ、引かれていく。
部屋まで案内してくれるらしい。
長い、豪華な廊下を歩き、階段を登ったり、エレベーターに乗ったり。
驚くことに、妖力を使ってできているエレベーターがあったのだ。
この世界では、送り箱と呼ばれているらしい。
ある程度上の階まで登り送り箱から降りると、また長い廊下を歩いていく。
「そうだ、お前の着物も用意しないとな。好みの色などあるか?」
「え、えっと……ピンク色が、好きです……」
「わかった、ではピンク色の物を中心的に揃えよう。部屋に着く頃には用意が終わるだろうから、安心していてくれ」
「えっ!?は、はい……」
まさかの早さに驚くも、正直この世界観に打ちのめされてクタクタだった。
それどころ、李莉までこっちの世界に来ていてはどうしようと、不安を感じていたのだ。