コンビニでお昼を買って、公園のベンチに座って食べることにした。


「……美味しい……っぅ……ひっぐ……」


美味しいと感じるものをたくさん買って、1人で涙を溢しながら食べる。


ふと……背後から気配がしてきた。


「貴様、1人なのか？」
「……え？え！？」


突然現れたのは、頭に立派なツノが生えて、顔に赤い模様の入った背の高い、筋肉質な男性だった。


「こんなところで泣いて何をしている？」
「あ、あやかし、様……！？」


噂でしか聞いたことのなかった“あやかし様”。生まれて初めてお目にかかり、驚きが隠せなかった。

白い髪に真っ赤な瞳、美しい整った顔。真っ黒な羽織ものの中に白い、水色で模様の書かれた着物を着ているのが特徴的だ。


「あやかしを見るのは初めてか」
「は、はい……」
「そうかそうか……全て理解したぞ」
「えっ？」


首を傾げる日和を見てどうしようもなく愛おしく感じてしまう。


「お前は僕の嫁……そういうことだな」
「……え？ええええ！？」