じーっと日和を見つめる由貴に気がつく。


「どうしましたか?」
「ああ、早く結婚したいなって思っただけだ」
「あ、あはは……」
「日付はいつにする?」
「えっとー……」


苦笑いを浮かべる日和を見て、とりあえずこの暮らしに慣れてからだな、とフォローしてくれた。

時刻は10時。家で緊張していて夜ご飯を食べれなかった分、いっぱい食べ終わると今度は冷菜に案内されてお風呂に入った。

お風呂は温泉で、とても広い。露天風呂まであり、驚きが隠せなかった。

寝る支度を済ませ落ち着く。由貴は仕事に行っていたようだがもう戻ってきていた。


「ただいま、日和」
「お、お帰りなさい……」
「よし、寝るか」
「……え?一緒にですか!?」
「当たり前だろう、今は婚約している状態なのだから」
「わ、わかりました……」


躊躇いながら同じ布団に入る。
というかさっき少し寝たため眠気が失せていた。なので、気になったことを尋ねてみる。


「あの、鬼神様……」
「ん?なんだ」
「鬼神様は、何歳なんですか?」
(100歳……とか?)
「280だ」
「……え!?」


目をぱちくりさせ、由貴の方を思わず向いてしまった。


「まあ、人間で言う19歳だな」
「そんなにも感覚がちがうんですね」
「まぁな」
「……私は、めちゃくちゃ早く死ぬと思いますがそれでもいいんですか……?」
「ん?心配することはないぞ、あやかしと婚約をすれば寿命が伸びる」
「…………え?」
「そりゃ、一生を添い遂げる女を先に死なせるとか地獄だろう」


最初はついていけなかった。それってつまり、友達は先にみんな死んでいく……そういうことかと思い。


「どうした、何か心配事でもあるか」
「あ、えっと……周りが、先に死んでいくと言うことですよね……?」