この世界であやかしというものは最も気高く尊ぶ存在である。

人々は神のように崇め奉っていた。

そして、そんな尊い方達は人間の娘が大好きだったのだ。

100年に一度、決まった時期に失踪する女性は少なくない。

だけどそれは、あやかし様に娶っていただけたというとても幸せなことなのであった。

あやかしに好かれた娘の家族は、毎年大金をもらえる。
それを目当てに娘をあやかしの前に放り出す親も多い。


今日は、そんなあやかしたちがこの世界に降りてくる日である。