疲れたように首をうなだれたハルカに、私は「あ、」と小さく声をあげた。

あからさまにいつもと違うハルカにやっと気が付く。もうすぐ眠ってしまうんだと。

眠たげなハルカと目が合い、思わず咄嗟に目を反らしてしまった。戸惑い気味に頷けば、ハルカが安心したように「それじゃあ、またね」といつもよりも力の抜けた顔で笑う。

私はもう一度頷いて自転車に跨る。一度だけ振り返ると、出窓に腰掛けたまま目を瞑るハルカが見えて、急に不安が広がった。