「帰ったら用意するの?」

「うん。お母さんから、もうすぐ帰るってメッセージきてた」

「そっか。気をつけて帰ってね。いっぱい楽しんでね。今度会うときにどうだったか聞かせてね」


うん、と頷いて自転車に跨った。地面を強く蹴って進む。


「ミク、お誕生日おめでとう! ミクにとっていい一年になりますように!」


後ろの方でハルカがバカでかい声でそう叫ぶ。

通行人たちがなんだなんだと私たちを見てきて、慌ててペダルを強く踏む。無視するのは忍びないので、振り返らずに小さく手を振った。