「走ってるミクも止まってるおれも、今この空を見てるってことでしょ」


わかるような、わからないような、わかりたくないような。

そんな微妙な感情が胸の中を渦巻く。


「意味わかんないし」


ただ久しぶりに見れたよく晴れた空は確かに綺麗で、それがちょっとだけ息をしやすくしてくれた気がした。

その後二人で試運転に出かけた。

いつも通り私は黙って自転車を漕いで、ハルカは下手くそな鼻歌を歌いながら「見てよミク」と私に話しかけてきた。




その日から、私とハルカの関係は少しだけ変わったような変わってないような。

ただ今までは一歩離れたところにいたハルカが隣に並んでいるような気がした。