ハルカが目を輝かせて振り返った。見つめ合うこと数十秒、いい匂いと空腹と、鬱陶しいその視線に負けた。


「……割り勘ね」

「おれ、お金持ってない」

「だと思ったわ」


聞いた私が馬鹿だった。


「おじちゃん、十二個入ひとつ」

「って、何アンタが頼んでんのよ!」