何が違うのよ。私がおばさんからそれを聞いて、どれだけびっくりしたか。どれだけ、どれだけ。
悲しかったか、寂しかったか。ハルカの寝顔を見て、私がどれだけ不安になったか。
唇を噛み締めてハルカを睨む。ハルカは膝に顔を埋めたままこちらを見なかった。
「こっち見なよ」
「やだ」
「喧嘩売ってんの?」
「売ってないから買わないで」
「ハルカ!」
ツカツカと歩み寄ってハルカの肩を強く押した。
ヒョロヒョロのハルカはそれだけでも簡単に動いて、その拍子に顔が上がる。目があって、びっくりした。
ハルカも私と同じ顔をしていたから。キュッと唇を噛み締めて顎に梅干しを作り、顔を真っ赤にして涙がこぼれそうな目をしていた。
「……どうして、こうなんだろうね」
ハルカは私と目を合わせたまま静かに呟く。
「アメリカに行くって、いつ決まったんだろうね。おれ、ずっと嫌だって言ってたんだよ。お母さん、おれの意思を尊重するって言ってくれてたんだよ。なのに、いつの間にそうなったんだろうね。おれが寝ている間に決まったのかな」
ハルカがもう一度膝に顔を埋めた。
今度は私の手が押し返された。
「いつもこうだよ。おれが目が覚めた時、何もかも変わってるんだ。おれの知らないところで変わって、進んで。おれはずっとこのベッドの上に置いてけぼり」
なんで? どうしてそんなことを言うの?
いつかのハルカの言葉を思い出した。