3話

マリウスは、イーガルの馬車の中で目覚める。

「キミは永遠の僕のものだよ」

笑顔は優しいが、台詞が明らかにヤバいイーガルに、マリウスは鳥肌を立てる。嫌がって大泣きするが、そのままイーガル邸に運ばれてしまう。
館ではたくさんの侍女と乳母が、マリウスにかしづく。館も豪華で、侯爵よりも贅沢な生活をするイーガルに、マリウスは疑問を持つ。
そこへ、イーガルを薬種問屋が訪ねてくる。別室で何やら密談する二人に、マリウスは父の侯爵が、王都に中毒性の高い薬物が出回っていると話していたことを思い出す。

「まさかイーガルが、黒幕か?」

案の定、密談を終えたイーガルは、もっと収穫量を増やすため、薬物の原料となる花園の造園に協力するようにマリウスに迫る。
「植物を悪用するなんて!」

「いやややや!!」と激しく駄々をこねて拒否するマリウス。
それならばとイーガルは魔導師たちを呼び、マリウスのスキル「花言葉」をコピーさせようとする。