1話

主人公マリウスは、侯爵家の長男として生まれた赤ちゃん。
待望の跡継ぎとあって、両親はもちろん、六歳の双子の姉たちもマリウスを溺愛する。
ある日、乳母のクレアが誤ってマリウスに花瓶の水をかけてしまう。
そのショックで前世は社畜サラリーマンだったことを思い出す。ガーデニングが趣味だったが忙しすぎて鉢植えを枯らしまくった失敗を思い出し、この世界では大好きな花と緑に囲まれたスローライフを送ろうと決意する。
マリウスは床に落ちた勿忘草を可哀想に思い、「ごめんね。青い貴婦人さん」と呟く。(片言で、『あだあだ』と言っただけ)

すると、マリウスのスキル、「花言葉」が発動。
勿忘草の精霊が実体化し、美しい女性が現れる。仰天するマリウスに、何かしてほしいことがあるか、と尋ねる。マリウスは恐る恐る「花瓶を元に戻して」と頼む。
精霊は割れた花瓶を復元し、優しく微笑むと勿忘草の姿に戻る。
その様子をモップを持って戻ってきたクレアが目撃してしまう。

「坊ちゃま?これは何のおたわむれですか???」