「え!?なにそれ、知らなかった!言えよ、おい親友だろー?」
暗闇の中、香苗がばしっと私を小突く。
「いったいなー。じゃ、私は惚気まくったので次香苗さんどーぞっ。」
「えぇ?別に聞いてもいいことないよ?」
「言えよ、おい親友だろー?」
香苗の声をマネして言う。
「ねえ!そんな声じゃないってあたし!」
「いや、こんな声だよ!」
「ま、いいや、聞きたい?惚気」
「聞きたーい」
香苗は他校の男子と付き合っている。インスタで知り合ったらしい。
最初は、ネットで知り合った人と!?って私も思っていたけど、私にも会わせてくれて、いい人そうだったからよしとする!
「えっとね、今週の土曜日だったかな、来週だったか忘れたけど、バスケの試合あるんだって、見に行くの」
「へえー!そうなんだ、いいなー」
私も、桜木先輩と付き合ってたら、試合、応援しに行くのに。
あ、もう卒業するから自主練するとこも見れなくなっちゃうな…
「あー、眠くなっちゃった。あ、ねえ美織、バレンタイン一緒に作ろ?」
「え、いいの!?」
「うん。生チョコ作らない?」
「作りたい!最高!」
「じゃあ、決まりー!よし寝るか」
「はーい、おやすみー」
「おやすみ」
目を閉じてからも、頭の中でバレンタインのことばかり考えてしまってなかなか寝付けなかった。
うまくいくといいな。